ドバイでは、ビザ取得に際するメディカルチェックの1つとして胸部レントゲン撮影があるが、この画像読影を医師ではなくAIシステムが行うこととなる。これまで1枚の画像あたり約3分かかっていた読影を、このAIシステムは1秒で施行でき、大幅な効率化が見込まれている。
UAEメディアKhaleej Timesによると、主に感染症スクリーニングを目的としたこのAIシステムは、胸部レントゲン撮影機器に直接搭載され、画像上の異常陰影を指摘することができるという。メディカルチェックを担当するヘルスセンターのHussein Abdul Rahman AI Rand医師は「この技術の精度は98%を超えており、専門医による再検討を要するものは2%だけだ」とアルゴリズムのパフォーマンスの高さを強調する。
AI技術の予防・診断医学領域における活用と発展は著しいが、法整備の遅れなどから、AIシステムによる医師の代替は世界的にみても珍しい。Khaleej Timesは、ドバイが他のメディカルチェック(身長・体重・BMIなど)について、測定補助者なしに全自動測定で完了する機器を導入することも過去に報じており、先端技術の取り込みを積極的に行う柔軟な姿勢が垣間見える。