アルコールをほとんど摂取しない人に起こる脂肪肝のうち、肝硬変・肝がんへの進行リスクがあるものを非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と呼ぶ。NASHの確定診断のためには、実際に幹細胞を取って病理検査を行う必要があるが、近年、AIによってNASHを非侵襲的に予測しようという動きがある。
Gastroenterology & Endoscopy Newsの報道によると、米ボストンのOM1は、患者の臨床所見からNASHを予測する機械学習アルゴリズムの開発に取り組んでいるという。研究を率いるKathrym Starzyk氏は「肝生検は施行に一定のリスクがあるばかりか、一部の患者には施行そのものができない」と話し、新しい非侵襲的診断法の必要性を強調する。
日本国内においても肝炎ウイルスに感染のない肝がん患者数が増加しており、背景にはNASHの存在が指摘されている。NASHには生活習慣改善を含めた早期からの医療介入が必要だが、健康診断が広く行われている日本では、特に新しい非侵襲的診断法が有効に働く可能性もある。