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新研究 – 皮膚科専門医とAIの診断精度対決

ドイツの研究チームは、皮膚科専門医157名とAIによる、メラノーマ(悪性黒色腫)の診断精度比較を行った。結果は今月10日、学術誌European Journal of Cancerにて公開されている。

研究チームの論文によると、12000枚を超えるダーマスコピー画像から畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を利用して構築したアルゴリズムの有効性を検証したという。ドイツ国内12の大学病院に所属する157名の皮膚科専門医と、100枚の皮膚病変画像からメラノーマの診断精度を比較したところ、AIは皮膚科医136名(87%)の正診率を上回る高い診断精度を示したとのこと。

AIと医師の疾患識別能力を、ある程度の規模で直接比較した研究は珍しい。本研究の結果をもって「AIは皮膚科医を代替できる」と結論づけることは全くできないが、AI利用の有効性を示すエビデンスの1つとして非常に興味深い。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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