医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例医療系AIスタートアップ・ベンチャー企業の動向早産児の転帰を改善する栄養サポートツール - 米スタートアップAstarte Medicalが500万ドルの資金調達

早産児の転帰を改善する栄養サポートツール – 米スタートアップAstarte Medicalが500万ドルの資金調達

早産児にとって初期の栄養と腸環境の健康維持は、NICUでの転帰改善に重要な役割を果たす。米スタートアップAstarte Medicalが開発中のプラットフォームNICUtritionは、AIによる早産児の腸環境解析などから栄養プロトコルの合理化と自動化を目指している。

Technical.lyによると、基幹製品NICUtritionの開発完了に向け、同社はシリーズAラウンドとして500万ドルの資金を調達したという。同社のCEOであるTracy Warren氏は「この資金調達により早産児の成長率向上や感染リスクの最小化など、NICUでのニーズを満たす一連のソリューションを完成させることができる」と語った。

学術誌Journal of Parenteral and Enteral Nutritionに収載の論文によると、NICUの2000g未満の低出生体重児では、摂食ガイドラインに準拠することで転帰が安定すると報告されている。しかし、NICUでの複雑な栄養プロトコルを手作業で厳密に遵守することはかなりの労力を必要とする。将来を担う世代の健康向上のみならず、臨床現場の負担軽減と医療費削減のためにも、更なる技術開発が待望される。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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