オランダ・ユトレヒト大学の研究チームは、レントゲン撮影によって得られる股関節形状から「将来的な変形性股関節症の発症」を予測するAIアルゴリズムを構築した。研究成果はOsteoarthritis and Cartilageに先週公開された。
ベースとなるデータは、前向きコホート研究である”CHECK-study”(平均年齢56歳、84%が女性である1002名を8年に渡り追跡)に基づく。チームの開発した機械学習アルゴリズムは、単純レントゲン写真によって得られた股関節形状を、追跡期間中の変形性股関節症発症データからグレーディングするもの。このShape-Scoreは、検証フェーズにおいても単独指標として十分な予測力を持つことを示したという。
股関節形状のみで将来発症を予測できることは、予防的観点からの早期介入を実現し得る点で非常に意義深い。また、Shape-Score算出に高度な医療設備の導入を必要としないことも、日常診療レベルでの評価を可能としており、追加検証を重ねた上での実臨床利用と普及が期待される。