境界性パーソナリティ障害(BPD)の要因は次第に明らかとなってきているが、これらは他の精神疾患との重複もみられ、適切な評価は簡単ではない。米ピッツバーグ大学などの研究チームは、機械学習アプローチにより、思春期におけるBPDの主要な予測因子を探る研究を行っている。
Journal of Child Psychology and Psychiatryに25日公開されたチームの研究論文によると、2,450名の少女からなる縦断データセットを用い、128の変数からBPDを予測する機械学習モデルを構築したという。BPD症状の最適モデルには19の予測因子が含まれており、うつおよび不安症状・セルフコントロール・厳しい罰・乏しい社会性などの項目がBPD予測に大きな役割を果たしていた。
BPDは対人関係の不安定性や過敏性、自己像の動揺性などを特徴とする広範な表現型を持った精神疾患で、ネグレクトや身体的虐待の既往、家庭環境などが関連要因として知られている。精緻な解析を通して個々の予測因子を明らかにすることは、早期介入によって疾患発症を予防できる可能性につながるもので、同分野への新しい研究手法導入には期待が大きい。