東京工科大学 – がん幹細胞を識別するAI技術を開発

がんの発生起源において、正常細胞と同様に自己複製や様々な細胞に分化できる「がん幹細胞(CSC: cancer stem cells)」が関わると考えられている。近年、がん治療の重要な柱として応用が進む分子標的治療も、CSC研究を基礎とする。そのCSCを幅広く利用するため、CSCに特徴的な細胞形態を画像から評価する手法が模索されている。

東京工科大学の17日付プレスリリースによると、同大の研究グループは、がん幹細胞と非がん幹細胞を識別するAI技術を開発したことを発表している。ディープラーニング技術を基礎として、培養細胞またはがん組織の位相差顕微鏡画像に写るがん幹細胞の細胞形態をAIが識別して明示することができたという。

同研究は、東京工科大学が全学で取り組む人工知能(AI)研究会」によるもので、研究成果はオープンアクセスの学術誌 Biomoleculesに掲載されている。特別な標識をされていないCSCをAIが検出できる可能性が示され、今後はCSCの存在を指標にする分子標的治療薬の評価や、病理組織診断などへの応用が期待される。

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TOKYO analytica
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。