米国では長年に渡り、ホームレスの薬物乱用が社会問題となってきた。ペンシルベニア州立大学の研究チームは、若年ホームレスにおける「薬物依存症の罹患リスク」を推定するAIアルゴリズムを構築した。これにより、高リスクにある者を対象とした個別化リハビリテーションプログラムの実施などに結びつく可能性が示唆されている。
ペンシルベニア州立大学が先週公表したところによると、研究チームは18歳から26歳の米国在住ホームレス1,400人から収集したデータを利用し、このAIアルゴリズムを導いたという。モデルには、犯罪歴や生育歴、メンタルヘルスの特性など、環境・心理・行動の各要因から多面的な評価項目を取り込んだほか、地理的な差異を解析するため、データセットを州ごと6つに分割した上で個別の予測モデルもトレーニングしたとのこと。
研究論文の筆頭著者で博士課程の学生でもあるMaryam Tabar氏によると「モデルが学んだことを見れば、薬物依存症に苦しむ人々がそうなるに至る要因を効果的に見つけることができる。仮に政策立案者が薬物乱用の蔓延を防ぐプログラムを開発するとすれば、このアルゴリズムは有用なガイドラインを提供することができるだろう」とする。