マイクロ波ドップラーでNCAAアスリートの動きを評価するAIアルゴリズム

筋骨格損傷のリスクを客観的かつ高精度に予測する費用対効果の高い技術は、アスリートにおける慢性疼痛および傷害予防の観点から長く求められてきた。米ペンシルベニア大学の研究チームは、マクロ波ドップラーレーダーを利用し、「人間の眼では識別不可能なより微細な運動パターン」を検出できるAIアルゴリズムの開発に取り組んでいる。

Gait & Posture誌からオンライン公開されたチームの研究論文によると、全米大学体育協会(NCAA)の協力のもとにこの研究は行われたという。アスリートに裸足でのジャンプ、靴を履いてのジャンプ、およびヒールリフト付きの靴でのジャンプを行ってもらい、マイクロ波ドップラーレーダーによって捉えた信号パターンから、それぞれを識別するAIアルゴリズムを導くというもの。結果、測定条件に関わらず80-100%の高精度な識別精度を示し、マイクロ波ドップラーレーダーとAIの組み合わせによって、微細な運動変化を捕捉できる可能性が示唆された。

研究チームは、傷害予防を前提とした運動パターンの特定に至るためにはさらなる研究が必要としながらも、マイクロ波ドップラーの利用が従来のモーシャンキャプチャでは容易に測定できない差を捉えられる点を強調している。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。