医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例医療系AIスタートアップ・ベンチャー企業の動向英Sensyne Health - 米病院ネットワークとの戦略的研究契約を締結

英Sensyne Health – 米病院ネットワークとの戦略的研究契約を締結

Sensyne Healthは英国民保健サービス(NHS)が保有するビッグデータを活用する医療AIスタートアップで、設立後わずか1年でのIPOで話題となった。CEOであるPaul Drayson男爵はシリアルアントレプレナーでありながら、英議会議員の顔も持つ。このほど、このSensyne Healthは米病院ネットワークとの戦略的研究契約の締結を明らかにした。

同社が21日明らかにしたところによると、今回の合意は「医学研究のための国際的リソースプラットフォーム」を構築するための重要な一歩になるという。締結先となるSt. Luke’s University Health Networkは12の病院と300を超える外来診療所からなり、250万人の患者データを保有する。研究目的に提供されるこれらの臨床データは、事前にSt. Luke’sによって匿名化され、最高水準の情報ガバナンスとデータセキュリティに準拠するとしている。

1872年に設立されたSt. Luke’s University Health Networkは、大規模非営利ネットワークとして知られ、年間売上高25億ドルのサービスエリアにはペンシルベニア州とニュージャージー州の11の郡が含まれている。Sensyne Healthはグローバルデータセット構築に向け、まさに大きな一歩を踏み出した形となる。

関連記事:

  1. メイヨークリニック – AIと患者データを結ぶ新規プラットフォームを発表
  2. AIと嘘つき教師 – 著名な公開データに多数のラベルエラー
  3. EU – 欧州最大の病理画像データベース構築へ
  4. Truveta – 米国における巨大データプラットフォームを構築
TOKYO analytica
TOKYO analyticahttps://tokyoanalytica.com/
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
RELATED ARTICLES

最新記事

注目の記事