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唾液タンパク質データベースが個別化医療を変革する

米国立歯科・頭蓋顔面研究所(NIDCR)によって資金提供された「Human Salivary Proteome Wiki」は、唾液タンパク質についての公開データプラットフォームとして2019年にリリースされた。そこでは、唾液プロテオーム、ゲノム、トランスクリプトーム、およびグライコーム等に関する情報が幅広く集積・公開されている。

25日にJournal of Dental Researchに掲載された研究論文では、ニューヨーク州立大学バッファロー校などのチームによって、唾液ウィキの仔細が解説されている。多数の独立した研究から科学的エビデンスを集めるこのウィキでは、検索および分析ツールを研究者・臨床医に提供することで「唾液の動的で複雑な性質を探求するのに役立つ」としている。

バッファロー大学によるニュースリリースでは、当該プロジェクトを率いるStefan Ruhl教授の言葉として「このデータベースは、口腔および全身疾患の診断・リスク予測・治療のために、唾液プロテオームの可能性を最大化することができるものだ」とのコメントを報じ、唾液タンパク質データベースが個別化医療の強化において果たす役割を強調している。

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