唾液タンパク質データベースが個別化医療を変革する

米国立歯科・頭蓋顔面研究所(NIDCR)によって資金提供された「Human Salivary Proteome Wiki」は、唾液タンパク質についての公開データプラットフォームとして2019年にリリースされた。そこでは、唾液プロテオーム、ゲノム、トランスクリプトーム、およびグライコーム等に関する情報が幅広く集積・公開されている。

25日にJournal of Dental Researchに掲載された研究論文では、ニューヨーク州立大学バッファロー校などのチームによって、唾液ウィキの仔細が解説されている。多数の独立した研究から科学的エビデンスを集めるこのウィキでは、検索および分析ツールを研究者・臨床医に提供することで「唾液の動的で複雑な性質を探求するのに役立つ」としている。

バッファロー大学によるニュースリリースでは、当該プロジェクトを率いるStefan Ruhl教授の言葉として「このデータベースは、口腔および全身疾患の診断・リスク予測・治療のために、唾液プロテオームの可能性を最大化することができるものだ」とのコメントを報じ、唾液タンパク質データベースが個別化医療の強化において果たす役割を強調している。

関連記事:

  1. 口腔がんリスク予測のためのAI利用
  2. Denta Mitra – 歯科モバイルアプリを展開するインドのスタートアップ
  3. 歯科領域へのAI利用 – インプラント周囲炎治療後の転帰を予測
  4. Denti.AI – 学術的評価を高める「歯科X線画像のAI自動診断サービス」
  5. 歯科医を助けるAI – 画像から下顎管を自動同定するアルゴリズム
  6. 血液検査で悪性腫瘍を捉える – 血清タンパク質の推移からOPSCCを識別する機械学習モデル

前の記事妊娠高血圧腎症のAI診断で命を救う – ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン発のプロジェクト
次の記事痛みを数理モデルで解釈する
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。