口腔がんリスク予測のためのAI利用

口腔がんの予後改善には早期診断と早期治療が欠かせない。サウジアラビア有数の国立大学であるJazan Universityの研究チームは、危険因子や症状、臨床病理所見などから口腔がん発症のリスク予測を行う人工ニューラルネットワーク(ANN)モデルの開発に取り組んでいる。

チームが4日、Journal of Oral Pathology & Medicineに公表した研究論文によると、平均年齢63歳、73名からなるデータセットに基づいてANNの構築を行った成果を明らかにしている。ANNの感度と特異度はそれぞれ85.71%、60.00%を示し、全体の予測精度は78.95%となった。

あくまで予備的研究の域を出ないスモールスタディだが、本研究成果は「口腔がんスクリーニングと診断への機械学習手法の有用性」を示唆するものとして、研究チームは歯科口腔領域における一定の貢献を強調する。歯科診療所など、日常診療でのリスク予測と、同定されたハイリスク者への早期介入を可能とするシステム実現が期待されている。

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TOKYO analytica
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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。