ニューヨーク大学 – 在宅脳刺激による精神神経疾患の遠隔治療プログラム

ニューヨーク大学ランゴーン医療センターは、経頭蓋直流電気刺激(tDCS)による在宅治療プログラムを開始した。対象となるのはうつ病や多発性硬化症といった精神神経疾患群で、領域の疾患特性やCOVID-19の感染拡大によって、そもそも外出することが難しい患者などに大きな助けとなることが期待されている。

同センターによるプレスリリースによると、提供される遠隔tDCSは現在、米国全州において利用可能としている。tDCSは極めて微弱な直流電流によって脳内の特定部位を刺激し、効果発現を期待するもの。患者らは専用のヘッドセットを装着した状態で、医療者の指示に従った種々のセッションをこなす。患者ごとにパーソナライズされたケアプランには、座位でのエクササイズや認知トレーニングゲームなど、種々のアクティビティが含まれている。現在は保険対象外で、機器レンタル代を含め、1セッションあたり30ドルの費用がかかる。

ニューヨーク大学ランゴーン医療センターでは、治療抵抗性うつ病におけるtDCS効果を検証する臨床試験にも参加する(研究プロトコル)。また最近では、米ラッシュ大学医療センターが自宅での脳深部刺激療法(DBS)を可能とするプラットフォームを立ち上げるなど、精神神経疾患患者に対する在宅治療アプローチの拡充が急速化している。

関連記事:

  1. てんかん発作は脳波データ「以外」から検出できるか?
  2. 遠隔医療を助ける新しい自律型ドローン
  3. Muse Healthcare – ターミナルケアへのAI活用事例
  4. Biobeat – リモート患者モニタリングプラットフォームでCEマーク認証を取得
  5. 非接触型バイタルサイン監視という新潮流 – イスラエル「Donisi」
  6. スマートスピーカーを利用した心拍モニタリングシステム

前の記事AIモデルは「ショートカット」に依存している?
次の記事「電子の鼻」で卵巣がんと膵臓がんを血液から検知
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。