乳がん検出において、高濃度乳房(いわゆるデンスブレスト)ではマンモグラフィ検査の感度と特異度が低下することが課題となっている。デンスブレスト対して、複数方向からのX線撮影で3次元検索を行う「乳房トモシンセシス(3Dマンモグラフィ)」によって乳がん診断を補助する可能性が模索されている。
フランスのAIソフトウェア企業「Therapixel」の28日付リリースでは、同社の乳がん検診支援AI「MammoScreen」が、2021年初頭に得たマンモグラフィへのFDA承認に引き続き、トモシンセシス画像への適応で2度目のFDA 510(k)認可を受けたことを発表している。MammoScreenは、マンモグラフィやトモシンセシス画像中から「乳がんを疑う軟部組織病変や石灰化」を高精度に自動検出する。病変の悪性度は、独自スコアであるMammoScreen Scoreとして1〜10段階のスケールで評価される。
トモシンセシスはマンモグラフィよりも多数の画像を確認する必要性から、現場の読影医にとって時間と手間のかかる画像検査のひとつと言える。トモシンセシスが検診の効果として乳がんの死亡率低減に寄与するか、科学的エビデンスの集積が進む現在、AIソフトウェアによるワークフローの効率化もまた大きく期待されている。
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