カナダ・トロントに本拠を置くPerimeter Medical Imaging AIは今春、同社の光干渉断層撮影(OCT)システムが米食品医薬品局(FDA)の510(k)認証をクリアしている(過去記事)。Perimeterは独自AIを実装したOCTシステムによって、乳房温存手術時の陽性マージン率に与える影響を検証するため、多施設での臨床試験をこのほど開始した。
Perimeterが16日明らかにしたところによると、最初の手術症例はテネシー州ジャーマンタウンのMargaret West Comprehensive Breast Centerを拠点とする乳腺外科医、Richard E. Fine医師とMichael Berry医師が担当したという。Fine医師は「乳腺外科の手術室での判断をリアルタイムに支援する検体画像ツールは、アンメット・メディカル・ニーズと言える」と述べ、AIを搭載した同システムによって現在の標準治療よりも優れた成果が示された場合、乳房温存手術時の標本画像技術において新しいスタンダードとなる可能性を指摘している。
乳房温存手術を受けた女性の約15~20%は再手術を必要とするが、これは外科医が明確なマージンを確保できなかったケースなども相当する。光コヒーレンス・トモグラフィーと深層学習アルゴリズムを組み合わせた画期的技術が、患者予後の改善に資することができるか大きな注目を集めている。
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