米ペンシルベニア大学看護学部が主導する新しい研究事業「Penn Artificial Intelligence and Technology Collaboratory for Healthy Aging (PennAITech) 」は、高齢者やアルツハイマー病患者における在宅ケア改善を目指し、AIをはじめとする先端技術開発とその適用可能性を探るものだ。米国立衛生研究所(NIH)に属する国立老化研究所(NIA)からの助成によって実現され、この助成金は5年間で総額2,000万ドル(約23億円)となる。
同大がこのほど明らかにしたところによると、PennAITechは、高齢者およびアルツハイマー病患者における家庭生活を支援するため、AIドリブンな革新的ソフトウェアの設計・開発・評価・製品化・普及までを目指すとする。在宅モニタリングデータの収集と処理、それら取得データと院内臨床データとの統合、AIソフトウェアによる分析、意思決定支援のためのポイントオブケアでの検証済みAIモデルの展開、といった包括的パイプラインの必要性を主張する。
研究グループは声明の中で「ペンシルベニア大学は、老年医学・アルツハイマー病・生物医学情報学に関する専門知識をもとに、研究およびイノベーションを加速させるユニークな態勢を整えている」とした上で、「我々は実世界で使用され、最終的に高齢者とその介護者の生活を改善する効果的なソリューションの開発を目的としている」と述べる。近年のNIHによるAI関連助成では、診断・治療を中心とした医学的重要項目への重点投資から、QOL向上を主眼とした、看護・介護を含む周辺領域への積極的な拡張がみられている。
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