NIH – アルツハイマー病対策のAI研究センター設立へ

米国立衛生研究所(NIH)はこのほど、アルツハイマー病の理解を深めるためにAI技術の利用と研究に焦点を当てた新センターに対し、2000万ドル(約22.8億円)もの助成を行った。本センターはマサチューセッツ大学アマースト校(UMass)とブリガム&ウィメンズ病院が共同で運営するもので、UMassに本拠を置き、マサチューセッツ州内の他機関からも専門家を集める予定としている。

同大学が1日明らかにしたところによると、共同研究機関にはマサチューセッツ総合病院、ブランダイス大学、ノースイースタン大学等が含まれ、新センターの共同リーダーとして、UMassのコンピュータ科学者であるDeepak Ganesan氏と、ブリガム&ウィメンズ病院の内科医でハーバード・メディカル・スクールの教授であるNiteesh Choudhry氏が名を連ねる。新センターは「Massachusetts AI and Technology Center for Connected Care in Aging and Alzheimer’s Disease」(MassAITC)と名付けられ、アルツハイマー病へのAI適用を通した疾病理解の促進により、厳然として存在する医療格差の是正を目指す。

ブリガム&ウィメンズ病院で研究教育担当シニアバイスプレジデントを務めるPaul Anderson医師・医学博士は、「人工知能は科学や医療の主要な分野を変革する可能性を秘めているが、現実的にこの力を最も必要としている患者・介護者・臨床医に正しく届けることが非常に重要だ」と述べた上で、AIによるアルツハイマー病対策を推進する一大拠点としての発展を期待している。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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