韓国の医療AI企業「Lunit」はこのほど、韓国IT産業振興院(NIPA)との供給契約を締結し、胸部X線写真における異常影を検出するCEマーク取得済みAIソフトウェア「Lunit INSIGHT CXR」を、韓国軍が運営する国内全土の医療機関に提供を開始することを明らかにした。
これは2700万ドルをかけた「軍隊医療システムAI化プロジェクト」の一環となるもの。Lunit INSIGHT CXRは、軍隊で最も代表的な5つの胸部所見である結核・肺炎・気胸・胸水・肺がんを識別することができる。特に結核の集団感染に対して脆弱となりやすい軍隊組織において、診断プロセスにおける専門医不足を補うことが期待されている。今回の契約は、軍事基地でのテスト期間と、著名な医学関連組織からの推薦に基づいて配備が決定されたもの。2021年、Lunitは韓国軍首都病院や延坪海兵隊基地など13の軍事医療施設にソフトウェアを導入し検証を進めた結果、Lunit INSIGHT CXRは、その高い精度と臨床的有効性により、軍事環境における専門家支援の可能性を示すことができた。
Lunit CEOのBrandon Suh氏は、「我々の強力なAIソリューションは、迅速かつ正確なスクリーニングを可能とし、兵士により良い医療サービスを提供する。政府との共同プロジェクトにより、さらに強固で持続可能な医療システムへと革新できることを期待している」と述べた。
関連記事: