臨床医は勤務時間の大半を文書作業に費やしており、遠隔医療やデジタルツールの導入は、臨床医の文書作成への圧力をさらに強めている。米国で医療機関を展開するOchsner Healthは、生成AIを患者へのメッセージ起案に利用するパイロットプログラムの開始を発表した。
Ochsner Healthでは、Epic社の電子カルテと、Microsoftの言語モデル Azure OpenAI Serviceを統合し、プログラムの初期段階として、「診断や臨床判断とは関係のない患者への回答メッセージの下書き」に生成AIを使用する。HIPAA法に準拠したセキュリティ要件に基づく暗号化技術により、患者プライバシーは保護されるという。メッセージの最終的な送信前に必ず医師による確認と修正が行われ、医師の署名が付される。
アプリケーション開発を統括するAmy Trainor氏は、「臨床医が確認するための初稿をAIが作成することで、患者は迅速に回答を受け取ることができる。また、医師がコンピュータ上の作業に費やす時間を削減することで、彼らの最も得意とする本業の患者診療に専念することが可能になる」と語った。
関連記事: