米国最大級の病院グループ企業である「カイザーパーマネンテ」(KP)は、医療保険会社でありながら独自に医療機関を運営する巨大組織だ。KPはこのほど、AIがどのように患者ケアを改善できるかを探求する5つのプロジェクトに助成金を授与した。
KPの公表によるとこれは、AIに焦点を当てた国家的な研究活動を支援するもので、5つのプロジェクトに対し、それぞれ最高75万ドル(約1億円)を助成している。当助成金には予測分析や大規模言語モデル、コンピュータビジョンなど、さまざまな医療AIユースケースに関する120件以上の応募があった。カイザーパーマネンテ・ノーザン・カリフォルニア研究部門(DOR)の研究者であり、パーマネンテ・メディカル・グループの集中治療専門医でもあるVincent Liu医師は「革新的でインパクトある数多くのプロジェクトの中から選ぶのは、本当に難しいことだった。最終的には、多様な技術、医療環境、患者グループにわたる現実世界の課題に取り組む、バランスの取れたポートフォリオを選択した」と述べている。
採択テーマは、小児喘息のためのAIモデル、心アミロイドーシスのハイスループット精密同定、AIによる糖尿病網膜症スクリーニングなどが含まれる。各助成金の助成期間は3年間で、助成期間中、KPのAugmented Intelligence in Medicine and Healthcare Initiative (AIM-HI) Coordinating Centerの積極的な支援を受けることとなる。
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