AIは医療のあらゆる状況を改善する多大な可能性を持つが、アルゴリズムが内包するバイアスへの懸念は続いており、適切な考慮と対処がなければ既存の健康格差を増悪させるリスクがある。英国民保健サービス(NHS)は8日、AIアルゴリズムのバイアス解消に向けた新しいプロセスの導入を明らかにした。
英国政府が明らかにしたところによると、今回試験導入される新手法は、エイダ・ラブレス研究所が考案したアルゴリズム影響評価(AIA)に基づくもの。ここでは、NHSデータにアクセスする条件として、研究者および開発者は「AI開発プロセスの一環に患者や一般市民の参加」を受け入れることが求められる。開発の早期段階に「大衆の声」を反映させ、信頼性の高いベストプラクティスとして社会へ組み込むことを狙う。
英イノベーション大臣であるカマル卿は「健康格差を根絶するという我々の使命の一環として、一部の集団にさらなる害を及ぼす可能性のあるバイアスに取り組まなければならない。今回の試験運用は、英国が倫理的かつ患者を中心とした方法で新しい技術を採用するという姿勢を改めて示すものだ」としている。
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