医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例医療AIがもたらす影響・問題点デンマークが「AI支援大腸内視鏡検査を推奨しない」理由

デンマークが「AI支援大腸内視鏡検査を推奨しない」理由

デンマークの治療審議会はこのほど、腫瘍性疾患の診断に用いる意思決定支援ツールとしての「コンピュータ支援大腸内視鏡検査」の導入を現時点で推奨しないことを明らかにした。これはデンマークでの既存ガイドラインに照らし、過剰治療を誘発する恐れがあるためという。

デンマークではガイドライン上、「確認されたポリープは全て切除すること」が基本となっているため、わずかな変化も見逃さないよう設計されたAI支援システムの導入によって、本来的に有害性の低い病変を含めた過剰な切除が進むことにより、「合併症リスクが潜在的利益を上回る可能性」を指摘している。

新技術の台頭に基づき、国単位での既存ガイドラインを安全かつ効果的に更新するためには、単にAIの網羅的な検出性能を示すのみではなく、最終的な患者利益が最大化する「有効な検出」を狙った設計と評価が肝要となる。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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