イスラエルのZebra Medical VisionとClalit Health Servicesは、通常の撮影済みCT画像を利用し、心血管疾患の発症リスクを高精度に予測するAIアルゴリズムを開発した。米国心臓協会(AHA)が提示する従来の予測モデルに付加することで、4.5%の精度向上を実現しており、胸部CT画像の予防的活用が見直される可能性がある。
米Business Wireの報道によると、AIアルゴリズムは14,135名の胸部CT画像から学習しており、冠動脈石灰化の程度を捉えることで、その後の心血管疾患発症リスクを算出できるという。Clalit研究所のRan Balicer教授は、「この技術が実用化されれば、慢性疾患管理に大きな役割を果たすことになる」と新技術の臨床展開に期待感を示している。
現在、米国の心血管疾患に関する医療費は年5500億ドルを超えるとされ、2035年までにさらに2倍も膨らむことがAHAによって推算されている。米テックメディアVentureBeatは、このAIアルゴリズムが既に米食品医薬品局(FDA)の承認を得たことも報じており、心血管疾患の効果的な予防に向けた具体策として、胸部CT画像の有効活用が期待されている。