食道癌は進行期に診断されることが多く、早期発見が予後改善のために重要である。一方、上部内視鏡検査をはじめとする現在のスクリーニング方法は、侵襲性や医療資源の制約から、大規模な無症状集団への実施は容易ではない。そこで中国の研究チームは、内視鏡検査を用いず、非造影CT(noncontrast computed tomography; NCCT)画像から食道癌および前癌病変を検出することを目的にAIモデルEsophageal AI-Guided malignant Lesion Evaluation(EAGLE)を開発し、その成果をNature Medicineに発表した。
EAGLEは、NCCT画像からまず食道領域を抽出し、その領域内の病変についてセグメンテーションと悪性度分類を行う2段階のU-Netベースモデルである。6,813例で学習し、3カ国12施設、80,612例で検証した。外部検証では、食道癌に対してAUC 0.976、感度90.0%、特異度98.5%を示した。また、病院における前向き検証では17,446例を対象にAIを運用し、食道癌41例、高度異形成6例を検出した。さらに、放射線科医17人による評価では、AI支援により食道癌の感度が71.9%から85.7%、特異度が79.6%から91.7%へ改善した。
本研究は、内視鏡検査を必要とせず、NCCTとAIを組み合わせた食道癌スクリーニングの実現可能性を示した。研究者らは、肺癌と食道癌には喫煙という共通の危険因子があることから、既存の肺癌低線量CT検診に食道癌検出を組み込むことで、1回の撮像から複数の癌をスクリーニングできる可能性を指摘している。今後は、より大規模で前向きな研究や、異なる地域・集団における検証を通じて、食道癌および前癌病変の検出性能と、実際のスクリーニングへの導入可能性をさらに評価する必要がある。
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