Googleは世界における社会・人道・環境にかかる重大な問題をAIの活用を通じて解決を図る案を募り、資金の助成と同社による専門サポートを与えるプロジェクト『Google AI Impact Challenge』を開催している。
ラテンアメリカの民間資本投資協会LAVCAの公表によると、ブラジルの手話用リアルタイム翻訳プラットフォーム『Hand Talk』が最優秀プロジェクト20のひとつに選定され、Googleから75万ドルの助成を受けたという。助成金とGoogleの専門家によるサポートで、Hand Talkは手話翻訳の質向上と、国際標準化としてアメリカ手話(ASL)の翻訳サービス開始を目指す。
聴覚障害者のコミュニケーションの壁を破ることが使命のスタートアップHand Talkは、2012年に創設された。同社はポルトガル語からブラジル手話(Libras)への自動翻訳をWebアプリとモバイルアプリで展開している。世界保健機関WHOによると、世界の約3億6千万人の聴覚障害者のうち、約80%が自国の言語を理解できない問題を抱えているという。優良なアクセシビリティを提供する同種のAI技術開発(過去記事)は、重要な社会的使命を果たすことが期待されている。