ディープラーニングで画像検査を技術革新する米国スタートアップ Subtle Medical は、PET/CT検査の高速化技術で以前に紹介した(過去記事)。同社はMRI検査の造影剤ガドリニウムの必要投与量を大幅に減らすAIソフトウェア「SubtleGAD」の開発も手掛けている。
Subtle Medicalの13日付けプレスリリースによると、SubtleGADの開発に対し、アメリカ国立衛生研究所(NIH)からスモール・ビジネス・イノベーション研究(SBIR: Small Business Innovation Research)フェーズIIに承認され160万ドルの助成金を獲得した。
造影剤ガドリニウムは、腎性全身線維症の合併症や、脳などへの組織沈着が確認され、FDAから安全性への警告が出されている。SubtelGADはガドリニウム投与量を従来の10分の1に減らしても、AI技術によるノイズ除去と鮮明化によって、画像品質を低下させずに造影MRI検査を提供できる。造影剤使用が困難であった多くの慢性腎臓病患者に恩恵をもたらし、腎機能が正常な患者でもガドリニウムが体内に滞留するリスクの軽減が期待される。
Subtle Medical社は、米CB Insightsが行うAIスタートアップトップ100に選出され(過去記事)、さらに世界で最も有望なデジタルヘルス新興企業150(Digital Health 150)にも選ばれた。画像検査を革新する臨床研究成果を米国内外で発表し続け、同社はますます存在感を強めている。