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Savana EHRead – 深層学習と自然言語処理による精密医療の加速

過去20年間において、生物医学研究への資金提供は世界的に倍増したが、新薬の承認は3分の1となった。ここでは、対象を絞ったより特異的な薬剤と治療法による「精密医療(precision medicine)」の促進が求められていることには明確なコンセンサスがある。このブレイクスルーを実現するためには、日常診療によって生み出される膨大な記録情報である電子カルテ記述を活用することが欠かせない。

欧州連合(EU)の政務執行機関である欧州委員会(EC)はこのほど、EUが2018年から支援するプロジェクトの成果報告を行った。スペインに本拠を置くSavanaに対する支援は、2020年4月末までで120万ユーロを超える。SavanaのEHReadは、深層学習と自然言語処理によってカルテなど臨床記録上のフリーテキストを構造化・匿名化し、臨床研究の推進や日常臨床の質的向上に結びつく知見抽出を助ける。同システムは追加的なセキュリティレイヤーによって、競合他社と比較して大幅にプライバシー保護を強化しながら、非構造化テキストから効果的にデータベース構築を行うことができる。また、研究者の効率的な研究活動をサポートするため、臨床変数間の相関関係を自動検出・提示できるほか、疾患の予後因子の特定や薬理学的有効性の程度を評価する機能などを併せ持つ。

現在、EHReadは17の医療分野において、世界各国における臨床研究に取り込まれている。うち、2つの国際研究においては慢性閉塞性肺疾患とCOVID-19に関する有意な研究成果に結びついており、今後のツール活用と知見導出にも期待が集まっている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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