米ユタ州・ソルトレイクシティに本拠を置くユタ大学などの研究チームは、心房細動を原因とした再入院を予測する機械学習モデルを構築した。研究成果は、ピアレビューのオープンアクセスジャーナルであるHealth Services Research and Managerial Epidemiologyにてこのほど公開された。
チームの研究論文によると、2013年度版の「Nationwide Readmissions Database(全国再入院データベース)」を用い、カテーテルアブレーションを受けた心房細動患者の90日間における再入院予測モデルを導出したという。k近傍法や決定木、サポートベクターマシンなど複数の機械学習手法によって変数の重要度評価と予測モデル構築を進めたところ、k近傍法が予測精度85%となり、最良のパフォーマンスを示していた。
利用されたデータベースにおいても、患者平均年齢64.9歳に対して17.6%が再入院を記録している。心房細動のない患者と比較して「複数回の入院を必要とする可能性」は3倍高く、米国での同患者集団における直接医療費は73%高くなるとの報告もある。チームは「予測モデルの適用によって再入院リスクを評価することは医療経済の効率化だけでなく、効果的な予防的治療や患者ケアの改善を通した死亡率の低下にも寄与する」としている。