米国保健福祉省(HHS)はこのほど、小児医療に遠隔医療サービスを統合するため、American Rescue Planから1070万ドル(約11.8億円)を拠出することを明らかにした。主に小児精神医療へのアクセス向上を狙うものとなる。
米国疾病予防管理センターの推計によると、米国居住小児の20%もがメンタルヘルスの不調に陥ると指摘されている。一方で、専門医療機関でのケアを受けているのは5分の1に過ぎず、特に有色人種の子どもたちは適切なサービスに届いていない現状がある。HHSが明らかにした今回の資金拠出は、このようなギャップの解消を目的として、米保健資源事業局がイニシアチブを取る「Pediatric Mental Healthcare Access Program(小児メンタルヘルスケアアクセスプログラム)」の活動範囲を拡大するために使用される。
2018年に開始されたこのプログラムは、精神疾患や物質使用障害(病的行動パターンを伴う物質関連障害)のある小児の診断・治療・紹介を行うプロバイダーに対して、遠隔相談やトレーニング、技術導入、ケアコーディネーションを支援してきた。今回の拡張により、小児メンタルヘルスケアアクセスプログラムの対象地域は40州に加え、コロンビア特別区、米領ヴァージン諸島、パラオ共和国にまで広がる。
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