AI研究の成果を鵜呑みにする危険性

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近年、医学領域においてもAI技術を利用した研究が急増し、主要学術誌にも頻繁に登場するようになった。一方、機械学習から得られる成果の潜在的な危険性を指摘し、結果を鵜呑みにしないように訴える科学者も少なくない。

Financial Timesの報道では、米ベイラー医科大学のGenevera Allen氏は「機械学習によって得られた研究成果の大半を懐疑的に見ている」と話す。主たる根拠として、多くの研究成果に再現性がなく、対象集団を変えてしまうとアルゴリズムのパフォーマンスが保たれないことにあるという。

これまでの古典的統計手法に比べ、AI技術にはブラックボックスと言える要素が多い。データ数の多さとアルゴリズムの高い精度をもって、安易に研究成果を受け入れる風潮には深刻な危険をはらんでいる。Eurek Alertは、Allen氏のコメントを紹介しながら、「単一の研究成果だけでは真実を語れない」という根本概念の重要性も強調する。

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TOKYO analytica
TOKYO analyticaは、データサイエンスと臨床医学への深い造詣を武器とし、健康に関するあらゆるモノ・コトのエビデンス構築・普及をお手伝いするメディカルコンサルティングプロジェクトです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。