Twitterでのフォロワー数15万人を超え、世界で最も影響力のある医師の1人として知られる循環器科医・Eric Topol氏は、著書の中で「AIの発展は医師をより人間らしくさせる」と持論を展開する。自身をデジタルオタクと称しながら、時には過剰な技術信奉に疑問を投げかける彼は、ヘルスケアAIの発展に何を思うのか。
米CNBCの報道によると、Topol氏は、AI技術向上は医師の雑用を減らすことを通し、直接的に「人間的医療」の時間を増やすことに貢献すると考えているという。一方、同氏は「多くのAI技術が米食品医薬品局(FDA)の承認を得ているが、ヘルスケアにおけるAI利用は始まったばかりで、まだ何も明らかにはなっていない」とし、現状評価に慎重な姿勢を示している。
Topol氏は米スクリプス研究所で、ゲノミクスに基づく個別化医療の推進チームを率いている。昨年からはNVIDIAとの連携を進め、同分野でのAI利用も加速している。Topol氏は「ヘルスケアAIの将来性はとてつもない。しかし、アルゴリズムの臨床的な有用性は常に妥当に検証される必要がある」と、技術の一人歩きに警鐘を鳴らす。