英ケンブリッジ大学を中心とした研究チームは、機械学習アルゴリズムを利用し、患者の長期診療記録から心臓発作や脳卒中などの急性期疾患発症リスクを算出しようとする取り組みを行っている。
英国で医学研究助成などを行うBritish Heart Foundationの公表によると、研究チームは、英国内200万人の長期診療記録を利用することで、冠動脈疾患・心不全・不整脈・脳梗塞などの発症リスクを明示する新しいアルゴリズムの開発に取り組んでいるという。研究を率いるAngela Wood氏は「膨大な診療記録を処理し、自身の健康増進に活用できるようになったのはつい最近のことだ」とし、科学技術の飛躍的な向上が背景にあることを指摘する。
英国の臨床現場では「NHS Health Check」と呼ばれる疾患リスクの算出モデルが利用されているが、ある時点でのコレステロール値や血圧値などを利用した「スナップショット」でしかない。患者固有の病歴や服薬歴の変遷、リスク因子の推移までを考慮したモデルは珍しく、より高い精度でのリスク評価が可能になるか、医療者からの期待も高まっている。