小児期の肥満は、成人期の肥満およびそれに伴う合併症と強く相関している。早期から肥満の高リスク群を同定し、適切な介入を行うことが有効な対策となる。ニューヨーク大学の研究チームは、機械学習アルゴリズムを用いた小児の肥満予測に成功した。
今週22日、オープンアクセスの科学誌・PLoS ONEに掲載されたチームの論文によると、出生後2年間の電子カルテ記録から、5歳時点での肥満を予測するアルゴリズムを構築したという。アルゴリズムの学習に利用したデータセットは、コホート研究(特定集団を前向きに追跡したもの)に基づいている。断面でのデータセットを利用した場合に比べ、疾病の自然史を時系列で追える分、因果の逆転が起こりづらく、観察研究の中では比較的高いエビデンスレベルとなる。
小児の肥満は特に米国で深刻な社会問題となっているが、これまで就学年前後の小児を対象とした肥満予測モデルに特筆すべきものはなかった。今後、データの追加収集および他集団での評価を通したアルゴリズムのさらなる改善と、医療政策への積極的な活用が望まれている。