小児の肥満予防を目指すAIアルゴリズム

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小児期の肥満は、成人期の肥満およびそれに伴う合併症と強く相関している。早期から肥満の高リスク群を同定し、適切な介入を行うことが有効な対策となる。ニューヨーク大学の研究チームは、機械学習アルゴリズムを用いた小児の肥満予測に成功した。

今週22日、オープンアクセスの科学誌・PLoS ONEに掲載されたチームの論文によると、出生後2年間の電子カルテ記録から、5歳時点での肥満を予測するアルゴリズムを構築したという。アルゴリズムの学習に利用したデータセットは、コホート研究(特定集団を前向きに追跡したもの)に基づいている。断面でのデータセットを利用した場合に比べ、疾病の自然史を時系列で追える分、因果の逆転が起こりづらく、観察研究の中では比較的高いエビデンスレベルとなる。

小児の肥満は特に米国で深刻な社会問題となっているが、これまで就学年前後の小児を対象とした肥満予測モデルに特筆すべきものはなかった。今後、データの追加収集および他集団での評価を通したアルゴリズムのさらなる改善と、医療政策への積極的な活用が望まれている。

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TOKYO analytica
TOKYO analyticaは、データサイエンスと臨床医学への深い造詣を武器とし、健康に関するあらゆるモノ・コトのエビデンス構築・普及をお手伝いするメディカルコンサルティングプロジェクトです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。