青年期の肥満は、成人期の心血管疾患リスクとして知られている。韓国・ソンギュングァン大学校の研究チームは、AI技術を利用し、青年期の脳画像から肥満化を予測する取り組みを行っている。
学術誌・Brain Imaging and Behaviorに掲載された論文抄録によると、青年期の対象者76名の安静時fMRIから、縦断記録されたBMI値の推移を予測するアルゴリズムを構築したという。大脳皮質表面の性状や皮質下容量などを、部位ごとにバイオマーカーとして設定し、BMIに対する予測能を検討した。これらバイオマーカーは、1-2年後のBMI値を高い正確性で予測していたほか、摂食障害や不安・うつのスコアとも関連していたとのこと。
肥満は食事・運動などの生活習慣に起因するのみでなく、精神疾患を中心とした背景疾患との関わりも指摘されている。青年期肥満の有効な予防策の策定には、生活習慣評価のみならず精神疾患リスクを含めた客観評価を実現し得る点でも、脳バイオマーカーの有用性が今後広がりをみせるのかもしれない。