病院受診から帰宅後の転倒リスクをAIで評価

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米ウィスコンシン大学の研究チームは、救急部を受診した患者が帰宅後、転倒によって再受診するリスクを評価するAIアルゴリズムを構築した。研究成果は先週、学術誌・Medical Careにて公開された。

チームの論文抄録によると、救急部が保有する電子カルテデータベースを利用し、何らかの原因で救急部を受診した患者が、帰宅後6ヶ月以内に転倒によって再受診するリスクを算出するAIアルゴリズムを構築したという。複数の機械学習モデルを用いて精度を比較したところ、ランダムフォレストモデルがROC 0.78と、他に比較してやや高い精度を示したとのこと。

帰宅後の転倒エピソードは患者本人にとっての明確な不利益となるだけでなく、医師による帰宅可の判断が正しいものであったのか検証を要する上、時として大きな議論に発展する可能性もある。電子カルテ上の診察所見や画像を含む各種検査結果から、後の転倒リスクを評価し自動アラートする機能が実現・実装されれば、帰宅可否判断に加えて治療計画策定など重要な医学的判断の大きな助けともなるだろう。

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TOKYO analytica
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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。