仏研究「患者はAIの臨床利用を危惧している」

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パリ第5大学の研究チームは、慢性疾患の治療を受けている患者1000名に対して「AIに対する意識調査」を行なった。医療におけるAIの進展は著しいが、これに反し、当の患者間では新技術に対する期待感ばかりでないことが明らかになっている。

Health IT & CIO Reportが報じたところによると、「サイバーセキュリティやプライバシー問題による弊害が新技術による利益を上回る」と答えたのは3%にとどまる一方、35%もの慢性疾患患者が「AIを利用したデバイス、治療オプションの一部を拒絶する」と述べたという。ここに例示された医療AIは、皮膚がんスクリーニングアルゴリズム・増悪予防のモニタリングシステム・リハビリ目的のスマートスーツ・救急電話窓口におけるAIチャットボットの4つである。さらに20%の患者は、4つの医療AI全ての利用を拒絶する旨を明らかにしたとのこと。

特に予防・診断領域において、AIは革新的なブレイクスルーを引き起こすことが大きく期待されている。企業・アカデミアを問わず医療AI開発が加速するなか、ヘルスケアの中心にいる患者たちは必ずしも前向きであるばかりではない。説明可能な方法で頑健に構築された妥当性と、責任の所在を含む医師-AI関係の明確化が、いま強く望まれている。

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TOKYO analytica
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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。