医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例AIによる免疫系マッピング - スタートアップ Immunaiが2000万ドルの資金調達

AIによる免疫系マッピング – スタートアップ Immunaiが2000万ドルの資金調達

がんの治療選択肢として、オプジーボやキイトルーダなど免疫チェックポイント阻害薬に代表される免疫療法に注目が集まる。しかし、免疫反応の複雑さから多岐にわたる副作用が予測しにくい点や、開発にかかる多大なコストが課題となる。ニューヨークを拠点とするスタートアップ「Immunai」は機械学習アルゴリズムを用い、免疫システムのマッピングによって診断と治療の改善に取り組む計画を発表している。

Venture Beatが報じたところによると、Immunaiは今回の計画発表に際して2000万ドルの資金を調達しており、研究体制の拡充に取り組んでいる。同社の技術はひとつの血液サンプルから1テラバイト以上のデータを取得し、機械学習によって細胞のタイプと状態をマッピング、データベースとの比較で免疫プロファイルを作成する。このプロファイル情報はがん治療に応用が期待される新規バイオマーカーの発見をサポートする可能性をもつ。例としてプログラム細胞死に関係するタンパク質PD-1とVD279を阻害する研究で、Immunaiのチームは腫瘍と戦うT細胞の起源に関する情報を明らかにしている。

Immunaiはツールとノウハウの開発によって、免疫腫瘍学や細胞療法の研究者をサポートし、医薬品開発と市場投入のスピードを上げることを狙いとしている。同様のアプローチとして、MicrosoftとスタートアップAdaptive Biotechnologiesがアルゴリズムの共同研究を行っていることも話題となっている。この領域への注力はまだまだ続いていくだろう。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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