AIによる精密医療の実現を目指す米Tempusは24日、Geisingerと共同開発した心電図分析プラットフォームが、FDAから「Breakthrough Device Designation」(ブレイクスルーデバイス指定)を受けたことを明らかにした。これにより、同システムはFDAによるレビュー・評価が優先的に行われ、重要性の高いシステムとして早期の市場展開が検討されることになる。
Tempusが24日明らかにしたところによると、このシステムは「心房細動の既往がない者の心電図波形から、将来的な心房細動発症を高精度に予測できる」ものだという。一般的な12誘導心電図波形を利用することができ、既存データからも重要疾患スクリーニングを実現するため、臨床インパクトは非常に大きい。先月、Circulationから発表された開発チームの研究論文では、160万に及ぶ心電図波形から学習したこの深層学習アルゴリズムは、心房細動の既往がない者において、今後12ヶ月以内の発症があるかを予測できることを報告している。
心房細動は血栓形成を促すため、脳梗塞をはじめとした塞栓症リスクを高める。心房細動高リスク者を日常臨床から早期に同定できることは、現行の疾患管理を大きく改善する可能性があり、患者予後の劇的な向上が期待されている。
関連記事: