AIは医療システム全体への影響力を強め、疾患予防や診断、モニタリングと予後予測を含めあらゆる臨床的意思決定支援への活用が続いている。一方、市場に出回る既存のAIトレーニングコースは、コーディングスキルを持ちAIツールの開発を志す人々を対象としたものが主だった。米イリノイ大学アーバナシャンペーン校は、複数大学との協調によって新たな「臨床家向けオンラインプログラム」の提供を開始した。
8日、同大学が明らかにしたところによると、この「AI in Medicine Certificate」と呼ばれる自己学習型オンラインプログラムでは、医療現場におけるケーススタディを通して「臨床に置いてAIがどのように機能するか」についてを実践的に学習できる。コーディングスキルや数学・統計学に関する高度の背景知識を要さないことが特徴で、対象となるのは医師や医学生、診療看護師(Nurse Practitioner)、獣医師などであるという。受講費用は750ドルと比較的安価で、6つのモジュールをクリアすることで修了証明書(Certificate)が発行される。
プログラムを率いるAnastasio教授は「我々の目標は、このプログラムを受講した学生が医学の未来をリードできるようにすることだ」と述べる。イリノイ大学を中心として同州にはAIに関する一大拠点が立ち並び、IBMから10年間2億ドルに及ぶ資金提供を受けたDiscovery Accelerator Instituteを含め、政府および民間からの積極的な投資が継続している。
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