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眼圧を家庭用ヘッドセットで非接触測定するAIデバイス

緑内障は世界で約8000万人の患者数と試算され、主要な失明原因として知られる。緑内障のモニタリングに重要な役割を果たす眼圧測定検査は、病院での測定機会が数ヶ月ごとに限定されることや、家庭用測定機器は侵襲的で信頼性に欠けるという課題があった。イスラエルのスタートアップ・Ophthalmic Sciences社は、AI利用のVRタイプヘッドセットで眼圧を非接触測定する機器「IOPerfect」を発表している。

Ophthalmic Sciencesのリリースによると、IOPerfectは患者が自宅で安全に装着できるヘッドセットタイプの検査機器で、目薬やキャリブレーションを必要としない。また、角膜の厚さにも影響されず、2分以内の検査時間で眼圧を測定できるとする。その仕組みは、ヘッドセット内で穏やかに制御された陰圧を眼球にかけることで、虹彩と強膜の血管脈動をAIが画像処理する。眼圧の影響を受ける虹彩の血管と、影響を受けにくい強膜の血管とで、2種類の脈動グラフが得られ、その差を解析することで眼圧を導出するというもの。

IOPerfectは完全非接触型の眼圧計として類を見ないユニークなものである。プローブを眼球に接触させたり気流をあてるなどする従来機器に比べ、より使いやすく、かつ非侵襲的で利用者に制限がかかりにくい。Ophthalmic Sciences社は規制当局への承認手続きを開始しており、2023年に米国と欧州でIOPerfectの販売を開始する予定とのこと。同社CEOのAriel Weinstein氏は「最も重要なこととして、この1年で遠隔診断の価値が証明され、これによって臨床医や投資家から我々のデバイスが大きな注目を集めることとなった」と語っている。

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1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、現在は米マサチューセッツ総合病院研究員、ハーバードメディカルスクール・インストラクター。他に、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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