医療文書の作成ワークフローを、AIと音声認識技術によって変革するDeepScribeは11日、新たに3000万ドルの資金調達を行ったことを明らかにした。DeepScribeは米国内400名の医師に臨床利用され、50万件に及ぶ医師患者間の会話を処理した実績を持つ。
DeepScribeは「信頼性が高く、安価で、安全な医療用スクライブ・ソリューション」を謳う。開始ボタンをタップするだけで、医師患者間の自然な会話が記録・要約され、選択した電子カルテシステムに自動統合される。DeepScribeは医師1名あたり平均3時間/日の節約を実現しており、また、コストは人間の医療書記に比べ約6分の1であるなど、その経済性も臨床導入の訴求点となっている。
DeepScribeの共同創業者であるAkilesh Bapu氏とMatthew Ko氏は、「医師と患者の会話は最も豊かな情報を持っているが、多忙で疲れ切った臨床医にはこのデータをすべて文書化し、十分に活用するだけの余裕がない。DeepScribeはこの状況を変えることを目的としている」と語る。同種技術には、昨年Microsoftによって買収されたNuance Communicationsによるものがあり(過去記事)、巨大な競合を前にした独自性と差別化の方向性にも関心が集まっている。
関連記事: