新しい医療AIツールが導入されるにあたって、一般患者の感覚および意見に関する調査は未だ乏しい。米国の医療画像処理ソフトウェア企業「Intelerad社」は、最新の調査で「医療AIに対する患者の姿勢と、AIの利用実態」を明らかにしている。
Intelerad社は、2021年7月に、医療画像サービスを受けたことがある18歳以上の米国人1,094名を対象としたオンライン調査を実施した。その結果、回答者の64%が「AI単独の画像診断」に「信頼か中立」の立場を示した。さらに「AIが支援した放射線読影医の診断」に79%が「信頼か中立」と回答した。特に55歳以上の回答者はAI単独(22%)よりもAI支援(59%)を信頼する傾向を示していた。AIへの信頼度は年齢との相関がみられ、若年者ほど信頼が強まる傾向を示した。また、回答者の60%は、5年後にはAIが放射線科業務の「半数以上」を行うようになると考え、20年後には回答者の75%がそのようになると考えていた。さらにAIがサービスの100%を占めるようになると考える回答者は、5年後で8%、20年後で19%という結果であった。
InteleradのMorris Panner代表は「我々の最新の調査は、医療画像診断分野の技術に関する患者の考えを聞く、という新しい側面を提供している。この知見は、AIサービスをいつ・どのように導入すべきかという現場の意思決定にも役立つものだ」と語った。
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