医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例患者・医療者サポートへのAI活用事例商業化を前提とした「遺伝性疾患向けAIプラットフォーム」

商業化を前提とした「遺伝性疾患向けAIプラットフォーム」

オーストラリアのビクトリア州メルボルンに所在する、ピーター・マッカラムがんセンターとスウィンバーン工科大学はこのほど、遺伝性疾患患者向けのAIプラットフォーム開発を目指す新しいプロジェクトを公表した

「GENIE」と呼ばれる、この新しいクラウドベースプラットフォームでは当初、遺伝性のがんや心血管疾患を患う患者向けに、専門医の検索支援、疾患に関する専門知識の補助、心理的サポート、臨床試験の最新情報、などを提供する。その後2年間をかけて、遺伝カウンセリング上のハイリスク患者を特定するアルゴリズムや、治療アドヒアランスが不良となる患者集団を検出するアルゴリズムなど、遺伝性疾患に特有の課題解決を目指したAIツールの開発と、プラットフォームへの統合を進める。また、GENIEにおいて収集される臨床データは、Clinical Genetic Service(CGS)の遺伝データベースにシームレスに統合される予定という。

本プロジェクトが特徴的であるのは、アカデミア主導の医学的プロジェクトでありながら、GENIEの商業化を重要視している点で、「市場分析を経た有効なビジネスモデルの構築」を計画の柱に据えている。スウィンバーン工科大学のPrem Prakash Jayaraman氏は、「AIベースのデジタルヘルスプラットフォームは、遺伝子変異データと高度なAIアルゴリズムを用いて、リスクのある個人を自動的に特定し、価値ある早期介入を実現することができる」と述べている。

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員准教授など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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