患者からの問い合わせに最初に接するオペレーターは、医師・看護師ではなくとも緊急性を判断して情報を取り次ぐ必要がある。遠隔医療プロバイダーの米TriageLogic社は、オペレーターが患者の状態確認に適切な質問ができるよう支援するAIツール「MedAnswer Assist」を提供している。
TriageLogicの発表によると、MedAnswer Assistは患者からの問い合わせをテキスト分析し、ユーザーに適切な質問を促すことで、医療者に取り次ぐべき情報を適確に記録できるようにする。患者の訴えには、発熱や胸痛など緊急性を判断しやすいものもある一方で、リフィル処方の希望の際など自身の緊急性に気付いていない場合や、オペレーターが追加の質問をするべきタイミングが分からないこともある。そのような際にMedAnswer Assistが促した適切な質問によって、引き継ぎ情報の不足や緊急ケースの見逃しを防ぐことができる。
米国の医療コールセンターでは1ヶ月間に約1億通のメッセージが医師・看護師に伝達され、そのうち2000万件が緊急ケースとの試算もある。TriageLogicの検証では、MedAnswer Assistによって緊急メッセージの伝達精度が30%向上したとし、これは米国全体で換算すると600万件の緊急ケースへの対応改善に相当する。同社は技術の導入により、適切なトリアージや救急医療費削減に貢献することを期待している。
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