末梢神経電気刺激で慢性疼痛を緩和

線維筋痛症のように痛みの感受性が異常亢進する慢性疼痛に対し、電気刺激で鎮痛を期待する「経皮的末梢神経電気刺激(TENS)」という手法がある。米NeuroMetrix社が開発する「Quell Fibromyalgia」は、TENSアプローチを用いた医療機器として、米食品医薬品局(FDA)の認可を受けている。

Quell Fibromyalgiaは末梢神経を電気刺激するクレジットカードサイズのウェアラブル機器で、独自アルゴリズムによる刺激の制御によって、疼痛緩和の補助効果に適応を有する。NeuroMetrixは2023年第2四半期における同製品の本格的な商業化を目指しており、2022年12月1日から、全米で25名の線維筋痛症治療のキーオピニオンリーダーを対象とした臨床使用プログラムの開始を発表した

NeuroMetrixのCEOであるShai Gozani氏は「線維筋痛症の最前線にいる最も先進的な臨床医らとの提携を通じ、我々のメッセージと販売プロセスを明確にしたい。市場へのアクセスを高めることで、弊社の技術から成功体験を得る最善の機会を患者に提供していく」と語った。

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