今月のGoogle – ヘルスケアにおける3つの新しい取り組み

デジタルヘルスアプリ開発者向けのオープンソースツールの立ち上げから、低コストでのケアオプションを特定する新しい検索機能の構築まで、Googleはヘルスケア領域での活動を活性化させている。Googleが今月公開したヘルスケア関連の取り組みを3つ紹介する。

1. Googleは、健康に関する質問により正確に答えるため、医療用大規模言語モデルの更新版を発表した(過去記事)。「Med-PaLM 2」と名付けられた新しいモデルは、医学的な質問に答える際の精度が85%で、初期バージョンであるMed-PaLMが2022年にリリースされて以来、18%の精度向上があったことを明らかにしている。

2. Google Healthは、開発者がデジタルヘルスアプリを構築することを支援するオープンソースツールのソフトウェアスイートを立ち上げる。「Open Health Stack」と名付けられたこのスイートは、デジタルヘルスアプリケーションを作成するための「ビルディングブロック」を開発者に提供する。

3. Google Healthは、検索機能で米国の地域医療センターを特定し、「どの施設に無料または低料金の医療オプションがあるか」という情報を消費者に提供することを発表した。Googleによると、この施設は検索ページで「offers free or low-cost care based on individual circumstances(個々の状況に応じて無料または低料金のケアを提供しています)」というラベルで示されるようになるという。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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