医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例疾患予防へのAI活用事例メイヨークリニック - ゲノムシーケンスを日常診療に

メイヨークリニック – ゲノムシーケンスを日常診療に

米メイヨークリニックの「Center for Individualized Medicine(個別化医療センター)」は2020年、研究の発展と患者ケア向上を目指して、2024年までに10万人のゲノムシーケンスデータに関する巨大ライブラリーを作成することを掲げた。現在、7.1万人以上の参加者を誇り、その計画は前倒しで進んでいる。

メイヨークリニックはHelix社との共同研究を行っており、同社が有する次世代シーケンス技術を使用して、疾患リスクを大幅に増加させる可能性のある遺伝子変異をエクソームでスクリーニングしようとする。初期のターゲットは、家族性高コレステロール血症、遺伝性乳がん・卵巣がん、リンチ症候群となる。参加者のゲノム解析結果は電子カルテに返され、日常診療への活用を進める。

同センターのKonstantinos Lazaridis氏は「DNAライブラリーを作成することで、医師が健康問題の素因を明らかにし、患者個々の生涯を通じた予防策を早期に実施できるようになる」と指摘している。

関連記事:

  1. 10万人対象のゲノムデータプロジェクト
  2. 人種間の「ゲノムデータ格差」
  3. ゲノムとAIによる胃がんの治療効果予測
TOKYO analytica
TOKYO analyticahttps://tokyoanalytica.com/
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
RELATED ARTICLES

最新記事

注目の記事