医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例疾患診断へのAI活用事例Overjet社「Caries Assist」- 虫歯検出AIがFDA認証取得

Overjet社「Caries Assist」- 虫歯検出AIがFDA認証取得

歯科における虫歯検出AIが有望視されるなか、米Overjet社は同領域でのAIプラットフォーム開発を積極的に進めている。Overjetは、2021年に米CB InsightsによるAI企業のトップ100(AI 100)にも選出され、注目を浴びた(過去記事)。

Overjetは16日付で、同社の虫歯検出AIソフトウェア「Caries Assist」が米食品医薬品局(FDA)の510(k)認可を取得したことを公表している。Caries Assistの中核技術のひとつは、X線画像解析AIによる「虫歯の骨レベルおよび歯の外形の定量化」となる。同製品は歯科医の正確な虫歯検出を支援し、病変の見逃し(偽陰性)の発生率低減を狙う。同社の検証では、Caries Assistの利用によって虫歯検出率が32%増加したとしている。

OverjetのAI製品におけるFDA認可は、2021年の歯周病検出AIソフトウェア「Dental Assist」に続き2件目である。同社のDental Assistおよび医療費請求プラットフォームは、業界最大手の歯科グループや保険会社で利用され、7500万人以上の米国人口をカバーする試算となる。同社CEOのWardah Inam氏は「我々は2018年の創業以来、正確かつ効率的な歯科臨床と患者中心の未来を創造することで、口腔内の健康改善を追究してきた。今回の認可により、革新的なソリューションでさらなる変革の先陣を切ることができる」と語った。

関連記事:

  1. 2021年最新「世界の有望AIスタートアップ Top 100」
  2. Pearl社「Second Opinion」 – 歯科X線画像診断支援AIが米FDA認可取得
  3. 歯を失う人を歯科検診なしでスクリーニングできるか?
TOKYO analytica
TOKYO analyticahttps://tokyoanalytica.com/
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
RELATED ARTICLES

最新記事

注目の記事