米テキサスA&M公衆衛生学校の研究チームは、感染拡大防止の観点から、COVID-19の疑いがある人々に検査キットを最も効果的に配布する方法をシミュレートし、これが対面検査実施時の感染率との間にどのような差があるかを検証した。研究論文は、 Journal of Intelligent & Robotic Systemsから公開されている。
研究論文では、抗原検査キットを目的地点に届けるための手段として、トラックとドローンを検討している。チームが考案した手法では、まず、それぞれ別個にスケジュールを考慮した上で、移動距離を最小化するルートを機械的に特定する。次に土地勘を有する専門家によるヒューリスティックスに基づき、種々の経路の組み合わせから初期解に対する改善点を探る、というもの。実際のシナリオでは約1時間で良好なルートを見つけられており、シミュレーション結果からは、医療機関においてPCRによる対面検査を全例で実施した場合と比較して、感染率を7.5分の1まで低減できるとしている。
著者らは、配達が完了するまでに必要な時間、プロセスに関与する人数、ウイルス感染率の観点から「提案したスケジューリングおよびルーティング手法の有効性」を強調するとともに、季節性インフルエンザを含む他感染症の検査においても応用できる可能性を指摘する。チームは今後、道路信号や速度制限、交通渋滞などの運転規制がトラックやドローンのスケジューリング手法に与える影響を検討し、さらに手法の洗練を目指そうとしている。
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