ヘルスケアおよびライフサイエンス分野におけるデータ分析プラットフォームなどを提供する米Healthcare Triangle社はこのほど、シンガポールでの拠点構築と、アジア太平洋地域(APAC)におけるデジタルヘルスケア戦略を強化することを明らかにした。
同社の公表によると、今後5年間で2500万ドル(34.2億円)をシンガポール拠点に投資し、500人以上の雇用を創出するという。APACでは現在、バーチャルヘルスケアの導入が急速に進んでおり、医療機関のデジタル化に対する投資の増加が、デジタルヘルスプラットフォームの導入加速にもつながっている。Healthcare TriangleのCEOであるSuresh Venkatachari氏は「今回の進出は、さらなる技術革新と医療イノベーションのハブとして、シンガポールの役割を強化するものだ。米国において発展途上の医療技術産業に携わった経験を生かし、医療関連企業のデジタルソリューションとイノベーションの地域的な拡大を支援したい」としている。
APACには医療過疎地域が多くあり、デジタルヘルスケアサービスの需要が特に高い。コロナ禍を経て遠隔医療サービスに対する認知が向上していること、また低コストの遠隔患者モニタリングサービスに対する需要が高まっていることが、今後10年間の同地域におけるヘルスケア市場を牽引する可能性がある。実際、マッキンゼーの報告によれば、アジアにおけるデジタルヘルスは「2020年の370億ドルから、2025年までに全体で最大1000億ドルの価値を創出する可能性がある」としている。
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